こんにちは。
出張撮影講座の第3回目です。
今回は、「出張撮影カメラマンに求められるスキル」についてです。
出張カメラマンに求められるスキルは大きく以下の3つがあります。
1.コミュニケーション力
2.撮影スキル(露出、構図等)
3.編集スキル
これらの重要度は人によって考え方は違うでしょうが、ここでは個人的に大切だと思う順に並べています。
1.コミュニケーション力
人を撮ることが多い出張カメラマンにとってなくてはならないものです。
風景や物ではなく人を撮る以上、撮られる方とのコミュニケーションはかかせません。
このコミュニケーション力は、「面白いことを言って笑わせる」とか「気の利いたコメントをする」ということではありません。
(できる人は武器になりますが、苦手な人も多いですよね。僕も面白いことは言えない方です^^;)
大切なのはお客様に「この人頼りになるな」と思ってもらえることです。
そのためにまずは愛想よく、テキパキと撮影しましょう。
「なんか段取り悪いし頼りないなぁ・・・」とか「感じ悪いな」という人には撮ってほしくないし、笑顔なんて見せられませんよね。
もたつかずにパッと撮影できるために必要なものは準備です。
機材の準備はもちろん、どこで撮るのか、どう撮るのか、事前にしっかりシミュレーションしておきましょう。
そうすれば撮影時の緊張はかなり緩和されるはずです。
そして何よりコミュニケーションの目的は「気持ちよく撮影時間を過ごしてもらうこと」です。
それができればいい表情もいい写真もついてきます。
どうすればお客様に楽しんでもらえるかを考えていれば、コミュニケーションは自然に取れてくると思いますよ^^
2.撮影スキル
カメラマンですからもちろん撮影のためのスキルは必要です。
具体的には「カメラを操作する力」「露出を判断する力」「背景に被写体を適切に配置する力」「光を読む力」などですね。
「えーっと、絞りはこれくらいで、それから・・・」などとブツブツ言っていてはお客様は不安になってしまいます。
露出決めなどはポーズの指示を出す前にサッとできるようカメラは使いこんでおきましょう。
最近のカメラはオートでもよく写るので、お客様はカメラはシャッターボタンを押せば写るものだと思っています。
実際には考えなければならないことは山ほどあるんですけどね。
それを流れを切らさずに撮っていけるように練習しましょう。
人を撮るときには撮影のテンポもとても大事ですよ^^
お客様とコミュニケーションが取れていて、とてもいい表情を見せてくれている、となればあとはそれを素敵に切り取るのはカメラマンの腕です。
露出について
カメラの設定に関してはよく「マニュアルだけで撮ってるんですか?」と聞かれますが、僕は状況に応じてオートも使い分けてます。
日中の屋外はブレに関してはシャッタースピードを気にすることはあまりないですから、露出がコロコロ変わる状況では絞り優先オートで撮っています。
カメラに任せられるところは任せて、その分構図や表情に集中できるからです。
マニュアルで撮るメリットとしては、露出が安定するのであとでレタッチが楽になることが挙げられます。
自分のカメラを使いこんでいるうちに、カメラの癖なんかも分かってきて、より撮りやすい方法が見えてきます。
シャッタースピードを絞りでコントロールするなんてこともよくありますしね。
構図について
構図は本に載っている基本的なものはいくつかありますが、絶対的な決まりや正解があるわけではないので、個人の経験やセンスが問われるところです。
気を付ける点としては、水平・垂直をきちんと意識することです。
変に傾けると構図の不安定さが目について、写っているものに集中できない写真になります。
動きを出したいなど明確な目的がなければ、まずは安定した構図を意識しましょう。
もう1つ、主に画角についての注意点です。
七五三を例にとってみます。
撮影の目的は神社にお参りする様子を記録することなので、寄った写真ばかりにならないようにしましょう。
寄ってボカシて撮ると余計なものが入りにくいし、なんとなくプロっぽく見えますが、そういう写真にはあまり情報がありません。
その日のお天気や神社の建物、賑わい、その中での家族の様子が分かるように引きのカットも撮るようにしましょう。
でないと、写真を見返した時に顔のアップばかりでは、どんなお参りだったのか分かりませんから。
逆に集合写真をかなり引いて、人が米粒くらいの大きさに写った写真を撮る人がいますが、それではみんなの表情が分からないので、もう1枚表情の見えるカットも撮るようにしましょう。
・引いて全体の様子を撮る
・寄って子供の仕草や表情を撮る
3.編集スキル
撮影後の編集は撮影~納品までの中で一番時間のかかる作業です。
ここでは編集は「セレクト」と「現像」のことを取り上げています。
セレクト
撮った写真を全て渡すという方もいますが、個人的には目つぶりやブレなどのNGカットは省いて納品するべきだと思います。
セレクトの正確さが納品物全体の品質を大きく左右します。
納品に関しての契約がどうなっているかにもよりますが、自分がカメラマンとして胸を張って出せるカットはどれかすぐに見極められるようにしましょう。
セレクトしたものを納品する契約で、目つぶり・ブレ写真を納めるのは問題外です。
(カメラマンマッチングサイトではそういう納品物がやや見受けられるようですね・・・)
また、できればお客様が好むカットはある程度把握しておいた方がいいです。
自分が男性なら女性はどういう表情の写真を好む傾向にあるのか、など知り合いの女性に自分の写真を見てもらって知っておくとセレクトの際に役に立ちます。
(例:女性は自分が爆笑しているカットはあまり好まない etc…)
現像(レタッチ)
現像ソフトはLightroomを使っている人が多いですが、それにこだわらずに好きなものを使っても問題ありません。
ソフトによって色が異なるので、僕はその選択もカメラマンの個性の一部だと思っています。
現像やレタッチはやりこめばキリがない作業ですが、依頼条件とのバランスを取りながら最善を尽くすようにしましょう。
現像もレタッチもやるほどに上達します。
明るさとホワイトバランスしか調整しないという人も、少しずつ使える機能を増やしていく努力をしましょう。
使える機能が増えれば、簡単に顔の赤みを解消できたり、部分的に暗い個所を補正できたりするようになり、写真の品質に直結します。
明るさとホワイトバランスの調整と合わせてやって欲しいのが、トリミングと傾き調整です。
トリミングは写真の隅に気を配り、無駄に写り込んでしまったものを削るだけで写真の印象がスッキリすることがよくあります。
傾きは、撮っているときは真っすぐに撮ったつもりでも後で見ると微妙に傾いていることはよくあります。
これもきっちり調整することで写真の印象がグッとよくなります。
どちらも慣れれば数秒でできる作業なので、色々試してみるうちに「この写真はこうすれば良くなる」ということが瞬時に判断できるようになります。
また色に関しては最近はインスタの影響もあってか彩度が高いものが好まれるようです。
ただ、色飽和には注意して赤い着物などがべタッと潰れてしまわないようにしましょう。
また、日本人は黄色人種なので、彩度を上げると顔が不自然に黄色くなり、肌がきれいに見えないことにも注意が必要です。
ホワイトバランスについては、個人的には納品写真の大部分はできるだけニュートラルになるようにしています。
何枚かは色味を変えて、作品風のアレンジをしていますが、すべてがそれではその日の実際の風景が分かりにくいからです。
ほとんどのカメラマンは「自分の色」を持っていて、それを求めて依頼してくる人も沢山いますので、お客様の要望と作品性のバランスを取りながら研究してみてくださいね。
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次回は「出張撮影の基本的な流れ(依頼~納品まで)」についてです
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