こんにちは。
フリーフォトグラファーの宮下です。
フリーランスで出張撮影の仕事をしていると、「どんなことするの?どんな風に撮影しているの?」と周りから聞かれることが多いので、自分自身でも再確認のためにこれまでやってきたことをまとめていきたいと思います。
質問があるということは、少しずつ出張撮影が認知されて、依頼も増えてきているということなので素直に嬉しいですね^^
不定期連載で以下のような人の参考になればと思って書いていきますので、気長にお付き合いください。
・出張撮影をやってみたいけど、自分にできるか不安な人
・すでに出張撮影の仕事をしたことがあるけど、他の人はどうやってるのか気になる人
その他、「出張撮影を頼んでみたいけど、どんなことをするの?」というお客様にとっても、こんなことするんですよ、こんないいことありますよ(笑)というのが伝わればと思います。
出張撮影って何をやるの?
というわけで第一回のテーマは、「出張撮影って何をやるの??」です。
出張撮影はその名の通り、「お客様が希望する場所に出向いて撮影をする」仕事です。
ですから、撮影場所は公園やご自宅、神社など多岐に渡ります。
出張撮影で特に依頼が多いのが「お宮参り」と「七五三」です。
「お宮参り」は年間通して依頼が多く、七五三は秋のシーズン(11月頃)に爆発的に依頼が増えます。
また、お宮参りは赤ちゃんが小さいので1~3月中旬までの寒い時期は避けて、桜が咲いた頃に行う方も多いです。
例えば、七五三では神社へのお参りやご祈祷の様子を撮影します。
定番カットとしては、鳥居の前での集合写真、お手水の様子、お祈りの様子、お子様だけの写真、ご両親との写真などです。
あとはお客様から要望のあるカットを入れたり、そのときの状況でこんな写真も撮りませんか?と提案させていただきます。
その他に、僕の場合待ち合わせてから解散するまで、移動中も含め何をしたかの流れをずっと撮っていきます。
出張撮影はお客様への密着取材のような面があると言えますね。
その他の依頼には、
- 成人式の前撮り
- カップルのエンゲージメントフォト
- 誕生日の記念撮影
- お盆、年末年始にご家族が揃ったタイミングでの記念撮影
- 年賀状用の写真の撮影
- 企業ホームページやパンフレットの撮影
などがあります。
出張撮影とスタジオの違い
写真を撮ると言えば少し前まではスタジオで撮ることが一般的でした。
例えば七五三や成人式の際に、照明と背景がセットされた場所で姿勢をビシッと決めて撮った写真を、6つ切りくらいのプリントで買うことが多いですよね。
スタジオで撮る写真は、コントロールされた光の中で、背景やポーズまで作りこまれたいわば完璧な1枚を撮ることが目的なわけです。
その分、お値段もプリント1枚何千円~となっています。
それに対し出張撮影では屋外で撮影することが多いため、その日の天候や撮影場所の照明環境などによっては、それほど「綺麗に撮る」ことには向かない場合が多々あります。
それでも出張撮影を依頼される方が増えている理由は、例えば七五三なら、お参りした神社やその時の家族の様子をリアルに記録できるからだと考えています。
簡単に出張撮影のメリット・デメリットをスタジオとの比較でまとめてみたいと思います。
メリット
・子供が比較的自由に動けるため、笑顔が撮りやすい
・リアルなその時の記録を残せる
・一般的にもらえる写真の枚数が多い(データでの納品が一般的なので、撮影時間や環境にもよりますが50~200枚くらいが相場です)
デメリット
・天候に左右される(悪天候なら中止になることも)
・基本的に自然光での撮影なので、希望の仕上がりにならないこともある
・衣装は自分で用意する場合が多い
要はスタジオとの使い分けはどんな写真が撮りたいのかということになります。
個人的に出張撮影の一番のメリットは、あとで写真を見返した時に、「この時はこんな姿だったね」という以外に「こんなところに行ったね」「こんなことをしたね」という状況まで思い出せることだと思っています。
「インスタ風」の写真て何?流行りに乗った方がいいの?
ところで、特に最近若い方の撮影の要望で多いのが「インスタ風に」というものです。
このインスタ風ってどういうことでしょう?
これは一言でいえば「非現実」ということです。
自然な光、色ではなくて映画の中の世界のような雰囲気。
そういう写真を撮ってほしいという方も増えています。
最近のスタジオ写真は以前に比べいわゆる「インスタ映え」したものが多いですね。
お客様の要望とインスタの持つ発信力を考えれば当然かも知れません。
スタジオは衣装、照明、背景、小物など豊富で、非日常を演出するための場所とも言えます。
出張撮影の場合でも、背景、小物、光の選び方、そしてレタッチで様々な演出が可能です。
このあたりは特にフォトグラファーの個性が出るところでしょう。
具体的なレタッチの方法などはまた改めて記事にしますが、ある程度はフォトグラファーそれぞれが自分の好みを追及していった方が結果的に他の人と差別化できて依頼にもつながりやすいのではと思います。
では、お客様がインスタ風な写真を撮ってほしいと言ったから、七五三の写真をどれもすごく幻想的に仕上げたとしたらどうでしょう?
先ほど書いたように、個人的には出張撮影は「記録写真」としての面が強いと考えています。
ですから何枚かは作品写真のようなカットがあってもいいと思いますが、基本的には安定した構図と自然な色合いで、不要な白とび・黒潰れを抑えて撮るべきです。
そうでないと見返したときに、なんとなく雰囲気はいいけどどんな状況だったのか分からない、ということになってしまいます。
この点については明確な正解があるわけではないので、どうやって記録と作品性のバランスを取るのか自身のスタイルを作っていかれるのがいいと思います。
実は一番要望の多いカットがコレ
それから、流行りの「インスタ風」よりももっと要望が多いカットがあります。
それは「自然な写真」です。
おそらくすでに出張撮影をされている方は納得なのではないでしょうか。
” 記念撮影以外に自然な写真も撮って欲しいです ”
” 自然な様子を沢山撮ってください ”
といった依頼は本当にたくさんいただきます。
この「自然な写真」が撮れる(撮りやすい)のも出張撮影のとても大きなメリットです。
「自然な写真」が何かというと、簡単に言えば「カメラを意識していない写真」です。
これには「カメラを意識していないように見える写真」も含まれます。
つまり、「話している」「遊んでいる」「お祈りをしている」などの様子を横からサッと切り取ったカットということですね。
これらのカットも構図の作り方や背景の選択など、一瞬の判断が必要になるので、フォトグラファーの腕と作風が反映されやすいところです。
こういった写真が好まれるようになった背景には、スマホのカメラで撮るのが当たり前になったことがあるのではと考えています。
スマホは小さくて目立たず、しかもいかにも写真を撮っていますといった圧迫感も与えにくいです。
そうして撮られた写真はポーズを決めたものよりも、気が付けば撮られていた写真の方が多くなっても不思議ではありません。
そういった写真がSNSで拡散され、日常的に目にするようになると、カメラ目線で作った顔よりも、むしろふとした一瞬の表情の方がその人らしさが出ていて魅力的に見えるのではないでしょうか。
また、撮られる側にとっても話しているところを撮られる方が楽です。
特に男性は「カメラを見て笑顔をください!」なんていうと顔が引きつる方が多いですから(笑)
出張撮影を依頼いただいた方の中には、「スタジオで撮ったときに子供が泣き止まなくて、いい写真が撮れるまで2、3時間かかった・・・」という方が結構いらっしゃいます。
スタジオは非日常を演出しやすい分、子供にとってはいつもと違うことがストレスなのでしょうね。
屋外や自宅でカメラを気にせず「話しているところ」「遊んでいるところ」を撮れる出張撮影は、撮られる側の負担も少ないと言えます。
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今回はこのあたりで^^
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次回は「出張撮影に必要な道具」についてです
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